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スペースモール代表小泉直弥さんに聞くきっかけと物件選び

2023年6月7日 (更新日 : 2023年7月7日) インタビュー記事

レンタルスペースの企画や運営代行を行い、現在は188軒のレンタルスペースを運営するスペースモールの代表 小泉直弥さん。レンスペ業界の繁栄に寄与し、会社自体も急成長を遂げるスペースモール代表に起業のきっかけや物件選び、運営について聞きました。

小泉 直弥:株式会社スペースモール代表取締役。24歳で起業。2018年にスペースモールを起業し、2021年6月M&Aでスペースマーケット社のグループ会社へ。

スペースモール:https://spacemole.co.jp/
取材を行ったスペース(弊社仲介、スペースモール様運営物件):https://www.spacemarket.com/spaces/p4v71d9cxuzicdcu/rooms/dkuqUiBTwlSxQcNa/?promotion_link=true

レンタルスペース業界参入のきっかけ

―レンタルスペースに着目したきっかけは何ですか。

元々は民泊をやっていました。民泊が法規制でできなくなるというときに、1部屋スペースマーケットに掲載してみたというのがきっかけです。歌舞伎町の20㎡くらいの部屋を掲載したところ70万円くらいの売上が出たのをきっかけに、「レンタルスペースが求められている」と感じたため、民泊から大きく舵を切りました。

―民泊事業からレンタルスペースに参入されたとのことですが参入されたときの印象は

当時、民泊には規制がありませんでした。2018年に「住宅宿泊事業法」という法律ができ、ビジネス構造が変わりました。180日ルールといわれる営業日数の制限ができたり、追加の設備投資が必要だったり、行政への届け出が必要だったり。売上が伸ばせずコストが増える方向への変化だったので事業をピボットする事業者が多かったです。

一方レンタルスペースは今のところ法規制がありません。そのため参入障壁がすごく低い。それが良さでもあり悪さでもあります。だれでも簡単に参入できるため、件数が増えやすい。市場が発展途上なので急激に供給スペースが増えると需要とのバランスが崩れ1スペースあたりの売上低下が起こりやすいと感じています。

―レンタルスペースの企画、開発、運営代行という現在のビジネスモデルで会社を作られた背景は。

ビジネスモデルは民泊と基本同じでした。民泊も「自社運営」と「運営代行」をやっていて、同じことを展開するだけでしたのでスピード感を持って展開できました。
全部自社でやるという方向性もあったんすけど、そうするとスピードに限りがあったり、限られたスペースしか扱えないため、物件を持っている方や新規の投資家さんから依頼を受けた方が面白い物件を取り扱えると思い、現在の運営代行という形を選択しました。

物件選びのポリシー

―レンタルスペースの物件選びで重要視する点は何ですか。

最も重要視するのは「持続性」です。持続性には「収益がしっかり出ている」ことと「トラブルが起こりにくい」という2つの要素が必要です。

―売上の面だけでなく、騒音やクレームから退去につながるケースもあるかと思いますが、物件選びの際にトラブル抑止の点で気をつけていることはありますか。

実は結構な数の撤退を経験しています。収益性が理由の撤退よりも周辺テナントからのクレームが原因で撤退することの方が多いです。
たくさんの撤退を経て、現在ではクレームが発生しない物件を選ぶようにしています。
たとえば近隣に居住者がいないかどうか、区分マンションではなく一棟オーナー物件であるかどうかなどは必ず確認するようにしています。

―180軒ほどのレンタルスペースを運営されているスペースモールさんですが、今まで当社で仲介させていただいた物件は何軒くらいでしょう。

おそらく半分以上はニューオさん経由だと思います。つまり100件近く仲介していただいていることになりますね!

―当社を選んでくださる理由はありますか。

実力だと思います!ニューオの社員さんは皆さん良い人ですが僕は人情で不動産契約をすることはありません。
ヒヤリングを通して変わりゆくニーズにあう物件をたくさん提案していただいてきました。貸主との条件交渉もニューオさんはこちらの味方になってしてくれるので心強いです。
仲介して終わりではなくその後のフォローや運営中の困ったときに相談に乗ってもらったりもしているので助かっています。

―成功するスペースにはどのような共通点がありますか。

使われ方が具体的にイメージできるスペースは成功していることが多いと考えています。

―ちなみに最近成功しているスペースにはどんなスペースがありますか。

今最もうまく行っているなと感じているのは室内キャンプスペースです。

―世の中のキャンプブームにあわせて、レンタルスペースにもキャンプを導入されたんですか。

コロナになってから世の中ではキャンプが注目度を増した印象ですよね。でも実際キャンプって遠くまで行って準備してって結構大変ですよね。だからもっと身近にキャンプの雰囲気を味わえたら絶対使いたい人がいるって確信がありました。

―小泉さんの思う、これから来るスペース用途は。

これからくるのはシアタールームだと確信しています。先日、新しくできた歌舞伎町タワーの映画館に行ったんですが、全席プレミアムシートで左右もゆとりがあるラグジュアリーな館内でとてもいい環境でした。でも1人6000円くらいするんです。それなら貸し切りの方が良くない?と思って。スピーカーやリクライニングできる椅子を置いて、貸し切りでリラックスしながら映画が見れるスペースを計画中です。
Netflixとかで連続ドラマとかを一気見するときとかにも使いたくなるスペースにしようと思っています。
※「396_SpemoCINEMA錦糸町」が2023年6月末にオープンしました

レンタルスペースを始める人へ

―運用の面で大変なことはありますか。

掃除や現地管理が一番大変でした。現在は外部に委託していますが、昔は自分でやっていたので、朝5時に家を出て1日20軒ぐらい回って、それだけで1日終わりみたいなこともありました。

現場を回ると得られることは多いので、最初はやってみることをおすすめします。弊社では現場理解のために清掃研修が入社の条件にもなっています。

―これからレンタルスペースを始める人にアドバイスをお願いします。

まず始める前にスペースをいっぱい見て、目を養うことをおすすめします。うまくいっているスペース、うまくいっていないスペースどちらも見て、共通点を見つけられると良いですね。
うまくいっているスペースを見て、この基準で作ればOKという感覚が得られればやってみていいと思います。

あとはスペースができる前の空室物件をたくさん見に行くことも大切です。空室の何もない状態を見た時に、内装や修理を加えて予約が入るスペースになるまでのイメージができれば借りる意思決定ができます。
最近はレンタルスペースの新規設営のお手伝いを募集している人も結構見かけますので、タダ働きでも良いのでそういう機会に参加するのがおすすめです。Twitterやジモティで情報を探すと定期的に案件があると思います。

―スペースモールは設立して今年5月で5年を迎えられましたが、この5年間でレンタルスペース業界の変化はありましたか。

たくさんあります。最初は民泊からの流れが強くて、割とチープな作りでも良い売上げが出ていました。最近は参入事業者が増え、スペースのクオリティが高くなってきています。
おしゃれ調理器具(たこ焼き器とか)、最新ゲーム機などがスタンダード設備になってきたり、アクセントクロスや照明工事をしたスペースも増えてきました。これからもクオリティは上がっていくのでスケルトン状態からの施工スペースやフルリノベーションスペースなどがどんどんでてくると思います。

あくまで主観ですが、市況感でいうと
2021年コロナ特需(飲食店営業停止でスペースの需要が増加)→小部屋スペースが急増
2022年小部屋供給過多で1スペース売上が大幅低下。
2023年小部屋の撤退、需要と供給のリバランスで前年比+30%

という感じです。

コロナが明け、大人数の利用が増えてきます。ベテラン事業者は中箱(10~20名)から大箱(20名以上)へシフトしているように見受けられます。
外部要因としては民泊市場の回復がレンタルスペース業界にも影響してきている印象があります。
買わない不動産投資として候補にあがるのが「民泊」と「レンタルスペース」です。
これからは民泊とレンタルスペースそれぞれに資金が流れるので昨年よりはレンタルスペースへの資金流入は少なくなるのではと考えています。
つまり物件数の増加が緩やかになるのでしばらく需要と供給のバランスがとれて1スペースあたりの売上が改善していくと思います。

―最後に、今後小泉さんが会社を通じて行っていきたいことはありますか。

昨年末にインスタベースの運営会社である株式会社Rebaseが上場しました。プラットフォームが2社上場し、決算内容や動きがよりオープンになりました。
レンタルスペース市場を作ってきた2社の今後の動きに注目しています。
僕はスペースマーケットの子会社の社長という立場でレンタルスペース市場の拡大に貢献していきたいと思っています。
そのためにオペレーションの効率化と高品質化、ハイクオリティスペースの開発に力を入れていきたいと思います。

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